リバース (石田衣良)

いやぁ…笑って泣いた…。

昼休みに食事から戻って自分の席でデートシーンでニヤニヤして…、会社帰りに電車の中でデートの後の2人の描写にウルウルして…、なんだか傍からみると変な人…という1日だったかもしれない。

20111014_reverse

インターネットがバーチャルな世界で…なんてパソコンやインターネットもそれほど使ったことの無いマスコミの人達の知ったかぶりに常々うんざりしていました。

いやぁ…文字の世界は変な世界で…パソコンを使えないとかインターネットを使ったことの無い編集者や作家などがウヨウヨしていて、インターネットやメールの描写にリアリティが無い作品も目にすることがあります。

石田衣良さんは実際にネットでチャットやメールのやり取りを行ったことがあるのかもしれません。

インターネットを通じていたとしても相手はリアルな人間なんだ…ということが良く分かっているように思います。

自分自身がインターネットが普及する前のパソコン通信の時代から、コンピューターを通じて電子的に言葉のやりとりをしていたので…描写の微妙なところ…う~ん共感できる!…という部分があちこちにありました。

自分自身では女性として発言をしたことはないけど、異性になってネットで交流するってんどんな感じなのでしょうね。この作品を読んで興味が沸きました。

ま…そんなことしないと思いますけど…。(笑)

恋愛とは何か、人を好きになるとはどういうことか、男とは…女とは…、なんていう要素がイロイロと盛りだくさんに入っている割にはあっさりと読める楽しい作品でした。

じっくりと登場人物の心情やそのときの行動の背景にある感情などに目を向けるとなかなか深いテーマを扱っているのに、お洒落でサラリと読めるあたりが石田さんのタッチなんだな…という感じで、石田衣良さんファンには堪らないでしょうね。

この作品はインターネット、メール、チャット、SNSといったものに普通に触れている人にとってはとてもリアルな話し…なのですが、そういうことには縁がない人には夢物語のように感じるのではないでしょうか…。

ま…σ(^^)の文章を読んでいる人はインターネットになじみがあると思うので楽しめますよ。

お勧めです!

(2011年10月14日残業後の帰宅途中に読了)

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眉山 (さだまさし)

通勤中に電車で読んでいて…涙してしまった。

σ(^^)が涙したのは…阿波踊りの場面。
何かが起こるところではなくて、その前の段階で登場人物がそれぞれの動きをしているところで泣きました。

20111007_眉山

四国で生まれ育った主人公、咲子とその母の物語。

実はσ(^^)は四国に足を踏み入れたことが無いのです。
この小説を読んで、そのあまり人に知られていない滝というのを見てみたいな…と思いました。

この小説は登場人物が少なくいところが私好み。

でも…文章表現というか文章はあまり合わない感じでした。
普段、使わない表現が繰り返し出てきたり…なにか小説を書く書くために気張っていたのかな…という感じがします。

もっと普段使う言葉で書けば良いのに…さだまさしさんがテレビで話しているNHKの深夜トーク番組から受けた印象からは普段も口にしていない言葉じゃないかと想像します。

文章がこなれてなくて、読み返さなければいけない部分もあったりしました。
全体のストーリーは骨太で良い印象を受けました。

二本のパイプという最後の3ページとその直前の1行が無ければ、もっと余韻を伴った良い終わり方だったのに…と感じたのは私だけでしょうか…。

そういえば、今日ネットでアップルのスティーブ・ジョブス氏が亡くなった…と報道されていました。
天才肌&芸術肌の起業家&経営者ということとは別に彼のスピーチに痺れました。

生きる…ということは何か考えさせられました。

このスピーチは是非聞いてみてください。

ご冥福をお祈りします。

さて…眉山…人を慕うということはどういうことか…何が慕われるためには必要なのか…というようなことを考えさせられました。
難しいことは分かりませんが、毎日をあきらめることなく一生懸命に過ごすことしかないのかな…と思ってます。

(2011年10月7日:通勤電車の中で読み終わりました)