人間失格 (太宰治)

いわゆる名作、人間失格です。 ちょうど映画も公開されるということで書店にもいっぱいならんでいたので、読んでみようかな…と思って手にしました。

むか~し、読んだように思うのですが内容を全く覚えていなかったので…購入。

人間失格_太宰治読み始めて…、う~ん、どこが名作なのかなぁ、もう少し読めば分かるかな…。 読み終えて…、う~ん、なんで名作と呼ばれているんだろう?

σ(^^) には名作と呼ばれる所以が理解できなかったです。

お金持ちの家に生まれた青年が、家がお金持ちということはイヤだけど東京で自由にお金を使って生活していたことの記録のように思えました。 

この小説が書かれた時代にはそれ程いろいろな小説が出ていなかったのか、はたまた小説が発表された時代の流行に乗ったのか分かりませんが、とても人気があったようです。

む~、そんなに良い作品なのか?というのが正直な感想。

ま…古典には一度目を通しておきたい方に…。

(読了:2010年7月)

人間失格 @アマゾン

 

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ボトルネック (米澤穂信)

前に読んだんだけど、ぼんやりとしたイメージしかなかったのでもう一度読み返してみたけど、やっぱりぼんやりとした感じでした。

米澤穂信_ボトルネックいわゆるパラレルワールドが話しの中心なのですが、時間は戻ったり先に行ったりはしないで、今生活している時間軸の中で話しは進んでいきます。 と…言ってもSF的な感じは全くなくて、どちらかというとアリスと不思議な国みたいな感じで、どこかにふと紛れ込んでしまったような雰囲気があります。

その紛れ込んだ世界と、自分が元々居たのは全く同じ街で、自宅も同じなのに大きな違いがありました。 何が原因かは分からないのですが、紛れ込んでしまった街には自分の家はあるのですが自分は存在しない世界なのです。

最後まで読んでも明確な結末が訪れないので、今回読んだ時も読み終わってぼんやりとした印象になっていました。 話しの中で出てくる謎解きみたいな部分も、お題を出されていないのに答えをいろいろ教えてくれるような感じで、何故かお節介焼きでおしゃべりな母を思い出しました。

ただ…主人公にとっては救いのないような終わり方というか展開の進み方なので、読み終わって読後感が良かったり、気分がすっきりということはまるでありませんでした。 あまり気分がダウンしている時には読まない方が良いかもしれないですね。

今回は2回目だったのでちょっとじっくり読んでみよう…と思ったのですが、通勤の往復1回で読み終わりました。 文章はこなれていて読みやすいです。

10代の頃に持っていたもやもやとして気分を出させてくれる小説でした。

SFやミステリを期待して読むとガッカリしてしまうかもしれません。 苦みのある青春小説としてお勧めです。

(2010年1月27日:東京ミッドタウンのスターバックスで読了)

ボトルネック @アマゾン

 

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戦闘妖精・雪風<改> (神林長平)

雪風は以前から耳にしていたのですが、やっぱりいつものサボり癖でなかなか手にしないまま時間が過ぎていました。 と…気がついてみると<改>になっているじゃないですか…。

手に取ってみるとカバーのイラストもなんだかその気にさせるような感じです。

戦闘妖精・雪風<雪風>_神林長平読んでみると昔読んだ新谷かおるさんの漫画「エリア88」を彷彿とさせるような感じの小説でした。 どういうことかというと、ひとりの主人公だけのストーリーだけで話しが構成されている訳ではなくて、周りに関わりのあるそれぞれの人達の立場での個々の場面に対する考え方や行動が描かれている…ということです。 もっともエリア88」ではメインの主人公は居ます。 が…この戦闘妖精・雪風<改>の場合には主人公となるのは雪風そのものであるという部分が大きく異なります。

当時は映画であればクリント・イーストウッド主演のファイアーフォックスに代表されるような次世代戦闘機モノが多くの創作を行う人々の想像力をかき立てていました。 この作品は相手は誰かハッキリは分からないが地球の人類として戦い続けている相手が存在する…という設定の元での戦闘機の物語です。

戦闘機が自分で指向する能力を持ったらどうなるか…ということと、人間の肉体的な限界を超える動きをすることが戦闘機が出来るようになったらどうなるか…ということを掛け合わせたような感じです。 実は今(2011)年の段階では人間の肉体限界を超える動きが出来る機体は作れるようになっています…が、当然人間は乗れないのでその判断をゆだねることが出来ないために現実にはそういう戦闘機はまだ建造されていません。 遠隔操作で爆撃を行うことが出来る戦闘機、プレデターは実用化されていますが、人工知能はまだ開発途上で実用化が数年の間に実現するような状態ではありません。

もしかしたら…という感じがあるのが良いです。

もっといろんなエピソードを作って雪風ワールドを膨らませてもファンはついてきたのではないかな…と思いました。

面白いです。

SFモノ、戦闘機モノ、戦記モノ、宇宙人モノ、近未来モノなどなどが好きな方にお勧めです。

(読了:2010年11月)

戦闘妖精・雪風<改> @アマゾン

 

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がんばっていきまっしょい (敷村良子)

CDのジャケ買いみたいなもんで、書店でこの表紙をみてついつい手を伸ばしてしまいました。がんばっていきまっしょい_敷村良子
オールを手にしている女子…というのに何となく惹かれました。 小さい頃から背の高かった幼なじみが大学ではボート部に入りインターカレッジに出場したいたりしたこともあって、ボートってどんな世界かな…と思っていたこともあります。

しかもそのオールを女子が持っている…。

実はこの本を読むまでボート競技で女子があるとは知らなかったです。 ボートが盛んなボストンに住んでいたときにもチャールズ川に浮かぶボートで女性を見かけた記憶は無いんです。 もしかしたら女子も漕艇をしていたのかもしれませんが、σ(^^) の記憶には女子のクルーっていうのが全くないのです。

本の中身は…。

男子だけのボート部に女子として…しかもマネージャーではなく選手として入部して女子ボート競技に出場するに至る話しです。 男子部員がいっぱいの中での女子…ということでもこの小説は恋愛小説にはなっていません。 男子が主人公のスポーツ小説同様に、スポーツでの達成感、挫折感、そしてスポーツを通じて得られる友人との連帯感や自己確立ということが描かれています。

どうして高校生女子が主人公の小説は恋愛小説になってしまうことが多いのだろう…と、この小説を読んでから思いました。 女子にだって意地もあるしスポーツを通じて得られるいろいろな体験もあるのに…。 

σ(^^) が達した結論は、小説を書く…という行為に向かう女子と、スポーツに打ち込む女子との間には思っているよりも大きな溝があるのではないか…ということです。 数ヶ月前の同窓会でもスポーツ部に入っていた女子と文化部に所属していた女子はそれぞれ違う世界を持っているようでした。 それぞれで話しをするものの深い話になると交わり合わない…という感じです。

この小説は作者が自伝的な話し…と言っているので実話に近いのだと思います。 ただ、作者はこの小説の主人公ではなくて脇役のひとりだということでした。

読むまで知らなかったのですが、テレビドラマにも映画にもなっていました。

テレビドラマはこんな感じ…。

がんばっていきまっしょい_TVドラマ

いかにも高校生という感じですね。

この4人の中で誰ががんばっていきまっしょいの主人公を演じたのかは分かりません。 でもなんだか健康的な高校生女子…という感じが伝わって来ます。

ビーチボールを持っているので、練習か合宿の合間に遊んでいるシーンなのかな…と思います。 実際はかなり日焼け止めをしっかりと塗っていないと夏の砂浜は日焼けが火傷なんだな…とつくづく思い知らされます。 特に鼻の頭と耳が出ているときは耳の上側は…。 あっ、あと首の後ろだ!

映画の方はこんな感じ…。

がんばっていきまっしょい (DVD) @アマゾン

がんばっていきまっしょい_映画

こちらの方がポスターを見る限りはなんとなくすっきりしていて、泥臭い努力をしている感じは伝わってこないです。 まぁ…ボートの漕艇中ということもあるのかな…。 ヨットにしてもボートにしても乗っているのを見ている側は優雅だな…という印象を持ちがちですから…。 

スポーツでの充実した高校時代の出来事を扱った小説を読みたい方にはお勧めです。
特に女子の…という方にはお勧め。

がんばっていきまっしょい @アマゾン

(読了:2010年11月)

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アクセル・ワールド (川原礫)

ライトノベルの典型のような登場人物や展開に設定…でも流れも良いし、なんといっても舞台が近所ということもあって面白く読みました。 読みやすいので1日で読了。

アクセルワールド_川原礫高校生に渡してみたら…彼も1日で読んでしまったらしく、渡した翌日には早速2巻目を数日後には3巻目を購入していました。

σ(^^)は2巻以降はまぁいいかな…という感じだったので、1巻目で終了にします。

話しはリアルとバーチャルリアリティの世界が交錯するちょっと先の東京23区内に通う高校生が主人公です。 彼はいじめられっ子で昼休みは誰も人が来ないところに隠れて過ごしているような生活をしているのですが、ゲームは得意という設定です。

あこがれの女子から声をかけられて頻繁に交流するようになりますが、彼女は入院する羽目に…。 入院している間の彼女の危機を彼が救いに行くというのが、かな~り大まかなストーリーです。

この中でバーチャルの世界が絡んでくるときに題名のアクセルというのがキーワードになります。 この加速というキーワードがバーチャルで展開され、そのバーチャルがリアル世界と重なって…という展開はスピーディで良いです。

ちょっと無理のあるところはあるけど…アニメ化するには良い感じの素材だと感じました。 だって特殊能力を使えるのは限られた時間だけ…なんて昔からのヒーロー物などのお決まりの縛りもしっかり内包しているし…良く考えられている設定だな…という感じがしました。

軽い読み物を探している方にはお勧めです。

アクセル・ワールド @アマゾン

(2010年12月:読了)

 

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