時代を先取りしている感じですね。 昨年末から今年に出ていたらもっと話題になっていたかもしれません。
この中に出てくるAI、よく考えてみると、ツイッターのボット(TwitterのBot)と同じです。 相手が人間かと思って話していると…実はプログラムが自動反応をしているということですからねぇ。
その自動応答ということを単なる条件反応だけではなく、更にAIということを絡ませてプログラムをするとどうなるでしょう。 そういったアイデアを、起業や若者の夢…なんていう要素を絡み合わせて読み始めたら途中で止めることを出来ないような作品に仕上げてしまったところに石田衣良さんの素晴らしいところです。
アキハバラを単にオタクの街というテレビや雑誌が作りがちなイメージに頼っていないところが好きです。 実際には電子パーツや開発用機材のショップが多いことや、ちょっと外れたところには昔ながらの木造の建物が建っている様子などが書かれていてリアルな感じがします。
私は小学生の頃から秋葉原や九段の科学技術館に行くのが好きで、時間と交通費が許せば遊びに行っていました。 秋葉原は小学生でも抵抗やコンデンサやダイオードを数十円の値段の店をうろうろして選んだりするのは楽しかったです。 私にとっては交通費以外に数百円もあれば結構楽しめる遊べる街だったなぁ…。
ボットのプログラムを組むのも今ではプログラミング用の開発環境も以前よりも安価…無料のモノもあります…になっていて自由にAPIを使用して作り込むことが出来ます。 パソコンも以前よりもかなり値段が安いのでやる気のある人なら数万円もあればチャレンジ出来るという状況です。 要は以前よりもやる気がどのぐらいあるのか…ということが問われている時代になっているんだ…ということが小説にも現れています。
ネット上のやり取りでお互いにやり取りをしていても相手が人間では無いことに気がついていない可能性もありますよね。 そのボットにAIによるコミュニケーション能力とコンピュータ・ウィルスのような自己増殖性を持たせて、特定のコンピュータ以外でも動くようにすると…まさにクルーク…。
インターネットでSNSでやり取りしている相手は人間かどうかってどうやって判別してますか?
石田衣良さんの時代先読みのセンスが良いと思います。 想像だけではなく自分自身でもパソコンを使い込んでるな…という印象をもちました。 でも、小説が出るのがちょっと早すぎたのか…扱っているこういう素材よりも、石田衣良さんの描く個性的な登場人物や起業と企業の対決の方が注目されていたみたいですね。
昨年(2010)ぐらいからツイッター、ミクシィ、フェイスブックなどが一般的になっています。 今、再度ドラマ化や映画化をすると以前とは違う作りになりそうで…期待している1冊です。
この小説面白いです! お勧めです。
(以前に読んだけど…3月になってもう一度読みました)
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